
気仙沼市が主催し、NPO法人ウィメンズアイが企画・運営する「デジタルカレッジUP(通称:デジカレ)」第4期が、6月7日(日)、ITベース大島アスナロウ荘で開講しました。
この講座は、気仙沼市および近隣地域に住む女性を対象に、仕事に活かせるデジタルスキルを学びながら、自分らしい働き方やキャリアアップを目指す3か月間のプログラムです。
今期は20人の受講生が参加し、新たな挑戦への第一歩を踏み出しました。
開講前の会場には、少し緊張した空気が流れていました。受講生たちは静かに席に着き、これから始まる3か月への期待と不安を胸に開講を待ちます。
参加のきっかけは人それぞれです。
「育児をしながらの学習なので不安もありますが、Excelの資格取得を目指したいです」
「初めて3時間も託児を利用するのでドキドキしています。在宅ワークに興味があって受講しました」
「仕事でExcelを使っていますが、もっと効率的な使い方を学びたいと思いました」
受講のきっかけを尋ねると、背景や環境は違っていても「これからの働き方を考えたい」「自分の可能性を広げたい」という共通した思いが伝わってきました。
開講にあたり、ウィメンズアイ代表の石本めぐみが受講生へエールを送りました。

「15年間活動する中で、女性がもっと自分らしく暮らしたい、働きたいという声をたくさん聞いてきました。今回学ぶ内容は、仕事だけでなく、自分のやりたいことを実現するためにも役立つ大切なスキルです。そして何より、今日『やってみよう』とここに来たことが大きな一歩です。3か月後には今より成長した自分に出会えるはずです」
その言葉に張り詰めていた空気も少しずつ和らぎ、会場にはほっとした表情が広がりました。
続いて、気仙沼市産業戦略課の熊谷直毅係長からも激励の言葉が贈られました。

「女性は育児や介護など、ライフステージの変化を経験することが多くあります。この講座で学ぶデジタルスキルは、時間や場所にとらわれない働き方や暮らし方を実現する力になるはずです。一緒に頑張りましょう!」
講座ではまず、学習の柱となる「Excel」と「生成AI」について学びました。

講師はウィメンズアイの板林。講師からは、デジタル化が進む現代において、Excelによる業務効率化や生成AIの活用が重要になることを説明。今回使用された講座資料にも生成AIが活用されていると紹介されると、受講生は驚きの表情を見せました。
3か月間にわたる学習へ「本当にできるだろうか?」と感じる受講生もいる中、その背中を押したのがデジカレOGによるトークセッションです。
登壇したのは、講師からの激烈オファーを受けた、第1期生の鈴木千広さんと、第2・3期生の小野寺みゆきさんです。
鈴木さんは、子育てとパート勤務を両立しながら受講し、その後は事務兼経理職への転職を実現しました。

「休日は朝4時半に起きて約1時間勉強していました。家族に『今から勉強するよ』と宣言したことで、子どもたちも理解してくれて、一緒に楽しみながら取り組めました」
また、学習動画をスマートフォンにダウンロードし、家事をしながら音声を聞くなど、隙間時間を活用した工夫も紹介。「今でも学習用ノートを仕事で活用しています」という言葉には、会場から感嘆の声が上がりました。
一方、小野寺さんは受講当初、パソコン操作にも不慣れだったといいます。
「最初はパスワードを入力するだけでも精一杯でした」
それでも毎日30分と決めて学習を続け、資格取得にも挑戦。見事合格を果たしました。

「女性はどうしても自分より家族を優先しがち。まずは、やってみること。人に頼りながら無理せず続けてほしいです」
受講生を思いやる言葉に、多くの人が深くうなずいていました。
最後に二人は、「宣言すること」「一人で頑張ろうとしないこと」「仲間と学びを楽しむこと」の大切さを伝えました。
受講生からは、
「お二人がとても輝いて見えて、私も頑張りたいと思いました」
「自分のために頑張ることは家族のためにもなると勇気づけられました」
といった声が聞かれました。

先輩たちの経験は、受講生たちにとって何より心強い応援メッセージとなったよう。不安そうだった表情は次第に和らぎ、「自分にもできるかもしれない」という前向きな空気が会場全体に広がっていきました。
その後のランチ交流会では開講前の緊張がうそのように、受講生同士が笑顔で会話を交わしており、新たな仲間とのつながりが生まれていました。

大海原を望む大島アスナロウ荘で始まったデジカレ第4期。
学びへの期待と不安を乗せた3か月の航海が、いよいよスタートしました。同じ志を持つ仲間、そして伴走するスタッフとともに進むこの時間が、受講生一人ひとりの新たな可能性につながることを願っています。

取材・文 ライター戸羽美智子