[オンライン] 4月11日 (日) 東北の女性たちによるストーリーテリング 「災害とレジリエンス」

投稿日:2021年3月29日

東日本大震災から10年。草の根で活動する女性たちと、これからの10年の未来を一緒に考えませんか。
ジェンダー課題も含め、地域はさまざまな問題を抱えています。わたしたちは、自分たちのこれからの未来を考え、次につづく世代のためにも、学びを日本国内外に共有したいのです。
震災からの困難をどう乗り越え、どんな活動をしてきたのか、そして、自分がどう成長してきたのかの「ストーリーテリング(わたしの物語を語る)」によって、地域で歩み始める若い世代の女性たちにエールを送り、東北から、日本だけでなく、世界へ発信します。(zoom 日・英同時通訳有)



東北の女性たちによるストーリーテリング 「災害とレジリエンス」

主催:NPO法人ウィメンズアイ enjoi 多様性と革新
日時:日本時間 4月11日(日)10:00〜12:00
参加費:無料 
参加方法ZOOM(事前申し込みが必要です。申し込みはクリック)
*ウィメンズアイのFacebookページで、Facebookライブの配信もあります(原語のみ 通訳なし)
言語:日英(zoomのみ同時通訳有)

プログラム
主催者からのメッセージ
石本めぐみ(NPO法人ウィメンズアイ代表理事)
スティール若希博士(enjoi 多様性と革新 CEO)
ストーリーテリング
登壇者
佐藤美代子(NPO法人まんまるママいわて代表理事)
佐藤真紀(認定NPO法人ふくしま30年プロジェクト理事長・福島市議会議員)
神谷未生(一般社団法人おらが大槌夢広場代表理事)
三浦千草(気仙沼市立小泉公民館職員)
天澤寛子(NPO法人浜わらす事務局)
詩の朗読
長島楓(元 朗読グループ「種まきうさぎ」)
コメンテーター
ルーシー・ジョーンズ博士(地震学者、Dr.Lucy Jones Center for Science and Society)
ジェームズ・ユーラック博士(米日財団理事長)

登壇者・朗読者・コメンテーター・共同主催者プロフィール

協力
Dr.Lucy Jones Society for Science and Society
米日財団
potentia
TOMODACHI Initiative

東北の女性たちによるストーリーテリング

東北の女性たちによるストーリーテリング

登壇者・朗読者・コメンテーター・共同主催者プロフィール


HERSTORIES ストーリーテリング

登壇者

佐藤美代子佐藤美代子
岩手県花巻市在住、まんまるママいわて代表、助産師。自分の助産院を立ち上げようとしていた2011年、東日本大震災を機に花巻市で沿岸の被災妊産婦受け入れボランティア事業に奔走。その活動を通じてケアの重要性を再確認し、助産師とママをつなげる産後ケア・産前産後サポート事業を開始。現在3市から委託を受け、活動中。

「まんまるママいわて」ホームページ

聞いてください 震災後家族のために、すべてを尽くす女性たちを見てきて、もっと自分を大事にしてほしい、そのきっかけとして産前産後の女性たちから支援をすることが助産師である自分の使命だと感じました。産前産後のケアが、どの地域にいても、当たり前に利用できる社会の仕組み作り、若い女性たちが、自分の性を大事にし、結婚・妊娠・出産・育児・職業選択などを自分の意思を優先できる社会にするための活動をしていきたいです。

神谷未生神谷未生
岩手県大槌町在住。一般社団法人おらが大槌夢広場代表理事。国際看護師として途上国医療に携わり、任地のベトナムから2011年3月末に帰国。国際NGOスタッフとして大槌町の緊急支援に派遣される。一旦、大槌町から離れたものの、2012年の12月に戻り、現在代表をしている団体にコンサルとして入った。コミュニティ支援、若者の支援(エンパワメント)、そして震災の教訓を次世代や他地域に伝える伝承活動を行ってきている。
http://www.oraga-otsuchi.jp/

聞いてください 世界各国で根無し草的に生きてきた自分が初めて、ここでちょっと根を下ろしてみようかなと思った大槌町。自分が、そしてここで結婚して子どもがいる今、町をすこしでも楽しい面白い場所にして行きたい。また、必ず再び津波がくる町で子育てをする身として、近年国内で多発している自然災害を見て、伝承活動への義務感や責任感が芽生えています。震災を知らない自分がやっていいのかという葛藤はあるものの、やり続けるのみだと思っています。

天澤寛子天澤寛子
宮城県気仙沼市出身・在住。市内の高校卒業後、仙台でさまざまな仕事を経験したのち、2010年秋に親子3人で気仙沼にUターン。2015年より、特定非営利活動法人浜わらす事務局。「はまわらす」は、気仙沼・東北の方言で「浜」の「わらす=子ども」を意味する。海での自然体験や様々な大人との関わりを通して、地元の子どもたちに「生きる力」を育む活動を行なっている。
http://hamawarasu.org/

聞いてください 海の近くで子育てしたくてUターンしました。震災当時、妊娠中だったため、身動きがとれず、人の役にたてず何もできなかったという引け目がありました。私はこの気仙沼で生まれ、海で育ち、育てられました。震災でとても恐ろしい海を見たけれど、どうしても海を嫌いにはなれませんでした。恐怖もあるけれど、恵みもあることを知っているからです。そのことを、子ども達にも知ってほしいと思っています。

三浦千草三浦千草
宮城県気仙沼市在住。震災3年後に、気仙沼へ。宮城復興局気仙沼支所の任期付き職員として鹿折まちづくり協議会の事務局支援を3年間行い、住民参加のまちづくりに関わる。そのあといったん関東に戻り、2017年から気仙沼市役所で勤務を開始。市役所では地域づくり推進課でまちづくり協議会の支援や住民による地域づくりの支援を2年行ったのち、公民館勤務となり、現在2年目。

聞いてください JICAの専門家として中米ホンジュラスの自治体支援プロジェクトに携わっていましたが、国内の自治体に関われるポストを探していた時に、被災地での募集が目に留まり、応募したのが気仙沼市でした。そこで経験を積んで戻るはずが、現地の人と結婚し、移住することに。何かしら地方行政と住民参加のまちづくりにかかわる活動をしてきました。自治体の可能性は大きく、現状よりもっとよくなるはず。住民の意見をもっと取り入れ、住民活動を効果的に後押しすることが、自治体の可能性をもっと広げると思うのです。

佐原真紀佐原真紀
福島市出身、在住。高校卒業後、化粧品会社に就職し東京へ。エステティシャンとして美容の仕事に携わる。同郷の夫と結婚し、出産を機に福島にUターン後、子育てしながら自宅サロンをオープン。
震災後、「市民放射能測定所(のちの「ふくしま30プロジェクト)」の立ち上げスタッフとして参加し、のちに理事長に就任。2019年に福島市市議会議員に立候補し当選。現在は、市議会議員と理事長を兼任している。
NPO法人ふくしま30年プロジェクト 

聞いてください 放射能についていろいろな情報が氾濫し、何を信じていいのか分からなかった時、一人の母親として、わが子を守る判断材料が欲しいという思いでNPOに参加したのがすべての始まりでした。いろいろなお母さんたちの声を聞く、気軽に相談できるというのが私に求められていたことでした。
市議会議員になりましたが、NPOの頃から変わらず、社会から取り残された人たちを助けたいという気持ちが強い。みんなの目が行きにくいところを拾い上げていきたい。少数派の力になることが、私の役割だと思っています。


詩の朗読

長島楓長島楓
福島市出身東京在住。元・朗読サークル「種まきうさぎ」
福島の高校生朗読サークル「種まきうさぎ」の朗読メンバーとして活動を開始したのをきっかけに、全国で福島の現実を伝える 朗読・意見発表などの活動、保養ボランティア、福島へのスタディツアーへの引率、マーシャル諸島の島民との交流、戦争体験者への聞き書き調査や交流などを行った。福島の高校生による朗読活動は、ドキュメンタリー「種まきうさぎーフクシマに向かい合う青春―」として各地で上映された。
ドキュメンタリー「種まきうさぎ」

聞いてください 震災時に起こった人災は決して繰り返されてはいけないことであり、その教訓を伝えることは大切です。詩の朗読では間接的に情景や思いを伝えられるため、震災当時を思い起こすアクションとしてとても適していると思います。詩の朗読活動をする社会活動家として、わたしにしかできないやり方で伝えていきたいと思います。


コメンテーター

ルーシー・ジョーンズ博士ルーシー・ジョーンズ博士
地震学者、カリフォルニア州南部在住。ルーシージョーンズ科学社会センターのチーフサイエンティスト兼創設者。33 年にわたり米地質調査所の研究員を務め、災害リスクと公共サービスについて複数の賞を受賞。1994年に起きたロサンゼルス大地震に際し、当時1歳の赤ちゃんを抱えて解説インタビューに答えた姿が全米に放映されたこともあり、米国では「隣の地震学者」のような存在として良く知られている。
2016年2月に岩手県住田町・陸前高田市でWEが開催したグラスルール・アカデミー東北にゲスト参加。科学者として取り組んできたことだけでなく、母として、女性として、歩んできた彼女の話には、参加した女性たちが共感し、勇気づけられた。
著書『歴史を変えた自然災害 ポンペイから東日本大震災まで』(3月刊行 原書房)

ジェームズ・T・ユーラック博士
2019年11月より米日財団の理事長に就任。それ以前は、在ワシントンDCのフリーア美術館に25年間勤務。長年にわたり、日本美術の上級キュレーター、コレクションおよびリサーチ責任者、チーフキュレーターおよび副ディレクターの職務を歴任。ワシントンでの在職期間に先立ち、クリーブランド美術館、イェール大学アートギャラリー、シカゴ美術館で要職を歴任してきた。2010年4月、文化交流の分野における日米の二国間関係の強化における顕著な功績が認められ、日本政府より「旭日小綬章」を授与される。 2016年には、スミソニアン協会代表より傑出した研究に対して、協会研究賞を受賞。


共同主催者

スティール・若希(ジャッキ)博士スティール・若希(ジャッキ)博士
リーダー層向けの多様性教育・育成やコンサルティング会社 enjoi 多様性と革新のCEO、政治学者(現在ICU及び上智大学在籍)。カナダ西部バンクーバー出身。オタワ大学で政治思想・比較公共政策の博士号取得。97年に来日し長野県更埴市(現千曲市)の国際交流員を3年間務める。加下院議員インターン、東北大学研究員、東京大学社会科学研究所准教授、名古屋大大学院法学研究科特任准教授などを経て、2020年より現職。在日カナダ商工会議所理事、千曲国際交流協会副理事、FEW Japan共同代表理事、SheEO Canadaエンジェル投資家。一女一男の母。