日程:2023年1月20日(土)〜 1月22日(日)
研修地:宮城県大崎市 東鳴子温泉 旅館大沼
テーマ:Power with
参加者:岩手・宮城・福島で活動する20代〜40代の女性16名
*グラスルーツ・アカデミー東北inバークレー研修の参加者の推薦による
スタッフ:2名 石本めぐみ(ウィメンズアイ代表理事)、塩本美紀(ウィメンズアイ理事)
助成:ロクシタン財団(託児プログラム)
講師:齊藤由香(さいとう ゆか)
Womens’ Eye » Grassroots AcademyTohoku in BerkeleySocial Change and Local Democracy (womenseye.net)
運営実行委員:浅野希梨、稲村友紀、黍原里枝、関口雅代、佐藤宏美、菅野瑞穂
*今回は2022年6月のバークレー研修参加者有志が実行運営委員となり、企画・運営しました。
託児の保育士&協力スタッフ:田中大樹、今野夢子、大場葉菜、加藤邦江、中村雪子
撮影&地域情報協力:佐竹歩美
ペアになり、感謝をテーマに自分を語る時間をとりました
ポストイットに自分の活動、好きなことを書いて掲示。
4,5人のグループになり普段見ている世界からちょっと視点を変えて、感謝していたことを順番に話しました。
・自分が何を大切にしていて、何が好きなのかがわかったり、他の方の大切にしているものなどを知ることができて、人それぞれちがうけど、どこかつながっているような感じがしました。また、自分の愛おしかったところを話す場面では、わたしはなかなかそこが出てこず、自己受容が乏しいのかなと感じ、これから少しずつ見つけていこうと思いました。
ネットワーキング 共通の関心の高いテーマごとに分かれてグループで話し合う時間をもちました。
・環境
・子ども
・コミュニティ
・農業
・初めて顔を合わせた時間。あなたは何者なの? どんな活動をしているの? と聞きたい気持ちをおさえ、まずはあなたがここにいる、私がここにいることへの感謝に目を向けた。感謝はつながりをつくり、安心感をもたらす。少しずつ見えてきたお互いの存在。明日はどんな姿がみられるんだろう、どんな体験ができるのだろうとワクワクしながら眠りについた。
・あえてプロフィール冊子を開示しない事にし、まっさらな個人と個人でゆっくりとお互いを感じていく事を大切にした。
朝は静寂の時間をとり、みんなと手を取り合ってダンスから始まりました。
・朝、ワーク会場に入った後、他の人と会話をしない時間があったことで、一日の始まりの準備や自分の大切なものを見つめ直すことができて、気持ちよくプログラムに入ることができました。
・自分から積極的に言葉を発したりすることが苦手ですが、朝のダンスをすることで自分の中で今の自分よりも少し、一歩でも進んで頑張ってみようと感じることが出来ました。
痛みについてペアで話しました。
全員で、一人ひとりの怒りや痛みを限られた時間の中で伝え合うワークをしました。普段はみせない深く強い感情に触れる体験を共有しました。
・それぞれのフィールドで活躍しているように見える人たちが、過去の試練を経てこの場にいるのだということに衝撃を受けた。
トラウマと言ってよいほどの出来事を経験したからこそ、彼女たちが強くなったのだろうか、などと想像した。
・自分や仲間の痛みに触れるということを体験した。目を覆い耳を塞ぎたくなるほどの痛みに触れるということは、大きなエネルギーも消費すること。その前のワークや休憩時間での会話の中で感じた仲間たちの優しさや強さのかげにあるのはまさにこの「痛み」だと感じた。痛みを乗り越えようとする者にこそあるまっすぐな心の美しさのようなものを肌で感じ、目の前の仲間ひとりひとりのことがいっそう愛おしくなった。この仲間たちと困難を乗り越えるために立ち向かおうと思える瞬間だった。
1人ひとりから溢れてくる「痛み」に寄り添い、今まで出せなかった声や感情が共有されたことによる自分や他者とのつながりがより一層深められる場となった。
わたしたちはこの社会において様々な体験あるいは境遇に出逢いながらも「痛み」を無視したりないものにせずに、自分の中に「ある」ものとして向き合えたことは大きな気づきとなった。「Let speak earth through you. あなたを通して地球を語らせなさい。」わたしたちを通して地球とのつながりを感じられた時間だった。
あなたは誰ですか? という質問に対して、自分の中から出てくる言葉に驚きや気づきを得ました。
・同じ質問を繰り返し問われたことで、「私自身」の内部、中心にあるものに触れる、近付く時間で、特に印象に残る経験でした
提示されたテーマについて、深く感じる、考えるワークを行いました。
ディープエコロジー、一般システム理論、仏教についての話題とともに、社会変革活動を行うために大転換の3つの領域について概要を学びました。またこの世界は一つの川の流れのようにフローで捉えることで、個が先にあるのでなく全体があって個が融和しあう考え方を使い、今回の研修のテーマ「パワーウィズ」について考えました。
それぞれが感じたパワーについて好きな色ペンを使って描く時間をとりました。そのあとグループでシェアをして自分の描いた絵について話し合いました。
運営スタッフによるバークレー研修の報告を、最も印象的だった3つの研修先(エディブル・スクールヤード、LGBTの聖地・サンフランシスコ-カストロ地区、ナチュラ「エコロジーと医薬の研究所」)での訪問を再現する寸劇スタイルで行いました。
2日目の夜に参加者プロフィールを配布しました。
・パワーについてわたしたちの周りあるものに目を向け、社会や教育、学校などのシステムがどう働いているかを知ることができた。また、パワーウィズを生かして連帯していくことや、智慧やネットワークを使って多様な角度から物事をみることで、わたしたちの中で生き生きするものに出逢う時間となった。また集い合い、問い合うことこそが力となる場として、わたしたちの中から生まれゆくまたは、心の奥底で眠っていたものを呼び覚ますような時間となった。
・痛みを伝え合い薄皮が剥がれた状態からヒリヒリとした感覚を飲み込み合い改めて自分と地球との繋がりについてここにいる仲間との繋がりについて深く感じる時間になった。
・バークレーで見てきた事をシェア出来たことはこの研修が出来上がる過程で非常に重要だったので良かった寸劇は…汗
自分自身の想像力を働かせながら、これまで自分の生きてきたこの道を捉え直すワークを行いました。1人1人がこの時代において経験したことなどを見つめ直し、最後にはペアで自分のミッションについて話しました。
3日間の旅路をともにした仲間と最後に想いや感情を表現しあいました。参加者一人ひとりから語られる真実をともに聴き合い、強いつながりを結び直したわたしたちはそれぞれの想いを胸に自分たちの活動のフィールドへと戻りました。
・3日目ともなると、皆馴染んでリラックスし、今日はどんなワークが体験できるのかと楽しみにしている様子が伝わってきた。表情も緩やかで、初日とは違う素の顔が見られた。3日間のワークを通して、参加者同士お互いの力を借りて自分自身の内面と向き合ってきた私たちは、すっかりこの地球での姉妹としてのつながり「シスターフッド」の結び直しになった。それぞれの場所へと帰っていっても、この繋がりからきっと新たな何かが生まれてくるんだろうな、と思える時間だった。
・わたしたち1人1人の内側にあるパワーに気づき、今いる世界よりちょっと外に飛び出していくそんな解放や放電をするような時間になりました。自分の勇気や行動が人々に影響を与えていくような自信に満ちた参加者の表情こそがすべてのギフトだったと感じた。
・自分は一人ではなく、横をみるとたくさんの仲間がいること。それも、東北だけでなく世界中に、世界をより良くするために行動している仲間がたくさんいるのだという安心感が生まれました。
・すでに一生懸命行動して活躍されている素敵な方と繋がりが出来たので、今後もお互いの活躍を見て刺激をもらえる楽しみも出来ました。福島だけでなく、宮城岩手の魅力も知ることが出来ました。皆さんが今の行動力を生んでいるのは痛みもあったからこそのものでもあるのだと感じました。
・3日間自分を見つめることによって、自分が狭い視点でしか物事を見ていなかったことに気づきました。自分がしたいことは地球を愛に包まれた世界にすることなんだと気づいた時から、進む方向が見えてスッキリしています!今一緒に活動してくれる大切な仲間と共に、母子支援することから愛を伝えていきたいなあと思っています^ ^
・子どもがいる人やハンディキャップのある人とともに過ごすことについて。
・今回過ごした3日間の中で、自分がやりたいことが明確になり、そのやりたい気持ちが自分に持てたことに驚きを感じました。やりたいことというのが、自分で一から始めていくことなのですが、今まではすでに出来上がったところに自分が飛び込んでいくだけで、自分にはそれが合っていると思っていました。しかし、今回のワークを通して、自分が変化していることに気付き、暮らしに戻ってから、その変化がどこから来たのかがわかりました。
自分が進むべき道が参加前よりもクリアになりました。またその後、私の周りでいろいろなことが起きてますが、たとえ辛い苦しいことでも目をさらさずに、そこから得られる学びは何か、そんな視点で考えられるようになりました。
・人と人との繋がりは複雑で難しいものではあるけれど、しっかりとした目的を持ち、お互いがその目的と意味を正しく理解し大切にすることで、短い時間でもお互いを理解することが可能であると感じました。
・ともに前に進むための仲間たちとのつながり。
・日常と異なる時間、場所を持つ有意義さ。
各地で活動する女性たちとの繋がりを持つ心強さ。
・自然を含め素晴らしい空間が心にもたらす影響を改めて感じました。今回と同内容を、自然の風景を愛でることのできない都会の会議室のような場所で実施していたら、また違った感想や感覚だったかと思います。
私も普段自然に囲まれた場所、時の刻みと力強さを感じられる空間で活動をし、その時間と場所を他の方へも提供しているので、改めてそのことを噛みしめました。”
・自分の中に既にある希望。私自身が地球そのものであるという感覚。
・安心を感じられる皆さんの空気に触れられたこと。色々な人に出会うことで、自分もそんな風になりたいなと思えたこと。
・分かってるようで分かってない自分への気づき。
自然の力や自然から頂いているものは何か、地域と自分と自社サービス(保育家事代行)とのつながりを問うようになった。温かい雰囲気で過ごすことができ、とても感謝しています。
・大人になればなるほど、自分らしさを忘れてしまっていて、勝手に自分自身が生きづらい世界を作ってしまっていました。しかし、このプログラムに参加させていただいて、改めて生まれてからの人生を振り返り、出会えた物・人への感謝の気持ちを持つことができました。
今回の研修での託児費用を助成してくださったロクシタンの社員の方々4名が最終日に来てくださいました。アカデミー参加者一人一人の簡単な活動紹介のあと、ロクシタンのハンドクリームを使ったハンドマッサージの講習会をしてくださいました。
Power With。
今回のアカデミーのテーマです。
わたしにとっては、なんだかブランケットみたいなイメージのこの言葉。
そう、これは、温かい地球の体温に包まれながら、私たちが3日間を通して織り上げたもの。縦糸は私たち一人ひとり。それをつなぐ横糸は、私たちの涙だったり、思いやりだったり、笑い声だったり、分け合って食べたおやつだったり、走り回る子どもたちだったり。
飛ぶように過ぎていった時間でしたが、わたしはきっとこの先何度もこの週末のことを思い出すと思います。そして、思い出すたびに、みんなで編んだこの織り物が、わたしを暖かく包んでくれるだろうと思うのです。
私たちは強い。
私たちは大きい。
私たちはあたたかい。
私たちは美しい。
どうか、みなさんにもこの織り物が感じられていますように。
そして、そのあたたかさとともに、この先も信じる道を歩んでいけますように。
2023年3月国際女性デーから一夜明けた日に
齊藤由香