〈プレスリリース〉東北の女性たちによるストーリーテリング 「災害とレジリエンス」  開催動画を公開しました

投稿日:2022年3月24日

特定非営利活動法人ウィメンズアイ(宮城県南三陸町、代表理事 石本めぐみ)は、昨年2021年4月に開催したオンラインイベント「東北の女性たちによるストーリーテリング『災害とレジリエンス』」の動画を公開しました。本イベントでは、震災を経験した地域の女性リーダー6名が登壇し、世界的な地震学者のルーシー・ジョーンズ博士や、米日財団のジェームズ・ユーラック博士をコメンテーターとして迎え、5名の登壇者は自身の経験を語り、他1名は詩の朗読を行いました。


自分たちのこれからの未来を考え、次につづく世代のためにも、学びを日本国内外に共有することを目的に開催しました。ジェンダー課題も含め、地域はさまざまな問題を抱えています。震災からの困難をどう乗り越え、どんな活動をしてきたのか、そして、自分がどう成長してきたのかを「ストーリーテリング(わたしの物語を語ること)」によって、東北から、日本だけでなく、世界へ発信し、これから地域で歩み始める若い世代の女性たちにエールを送ります。ウィメンズアイは震災後、様々なプログラムを通して、地域女性のエンパワーメント活動を実施してきました。今回の登壇者は、国内外で行ってきた研修「グラスルーツ・アカデミー東北」の参加者たちです。

 登壇者は、地域で変革に挑み続けている東北の女性たち6名です。子どもたちの自然体験活動を行なっている、NPO法人浜わらすの天澤寛子氏はロサンゼルスでの研修を通して「自分で切り開くこと」の大切さを知ったと述べ、一般社団法人おらが大槌夢広場代表理事の神谷未生氏は大槌町での活動を通して人のつながりの大切さに気付かされたと述べました。NPO法人まんまるママいわて代表理事の佐藤美代子氏は新たな岐路に立つ女性に寄り添うことの大切さを伝え、認定NPO法人ふくしま30年プロジェクト理事長であり福島市議会議員でもある佐原真紀氏は震災直後に子どもの健康を考え福島から避難する家族が「逃げた」と扱われ、逆に福島に残ると「子どもが大切ではないのか」と言われるなど、子どもを持つ親の当時の困難にも触れました。以前はJICAに勤務していた三浦千草氏は、住民参加を促すという点は国際協力の分野でも、現在気仙沼市職員として活動する中でも変わらないとし、住民参加が徐々に活発になってきたことを紹介しました。

 コメンテーターとして参加した、ルーシー・ジョーンズ博士は、日本を訪れたときの経験を交えてコメントをしています。岩手県の大槌町を訪れた際、「私たちに足りなかったのは判断力です」と聞いたことを例に挙げ、科学者として最良の情報を提供しようとしているが、それであっても科学者が間違ってしまう可能性もあるとし「一人ひとりが自分のために判断をし、決断をしていくということを忘れないでほしい」と訴えました。また、米日財団のジェームズ・ユーラック博士は、周囲の全員を喜ばせるよりも、敵がいるくらいの方が良い仕事をしたと言えると登壇者を励ましつつ、政府と協力し、時にはその一部になったとしても「政府が事実を全て明かすことはない」とし、”コロナウイルスは3ヶ月で消え去る”などという事実に基づかない情報を信じることなく、科学に目を向けることの重要性を強調しました。

  • ハイライト動画(日英字幕付き)
  • 全編はこちら

  • 登壇者
    天澤寛子(NPO法人浜わらす事務局)
    神谷未生(一般社団法人おらが大槌夢広場代表理事)
    佐藤美代子(NPO法人まんまるママいわて代表理事)
    佐藤真紀(認定NPO法人ふくしま30年プロジェクト理事長・福島市議会議員)
    三浦千草(気仙沼市立小泉公民館職員)

    詩の朗読
    長島楓(元 朗読グループ「種まきうさぎ」)

    コメンテーター
    ルーシー・ジョーンズ博士(地震学者、Dr. Lucy Jones Center for Science and Society)
    ジェームズ・ユーラック博士(米日財団理事長)

    主催
    特定非営利活動法人ウィメンズアイ、 enjoi 多様性と革新

    協力
    米日財団、 Dr.Lucy Jones Society for Science and Society、 potentia
    TOMODACHI Initiative、 JWLI ECOSYSTEM

    グラスルーツ・アカデミー東北について
    「グラスルーツ・アカデミー東北」は、東北3県(宮城、岩手、福島)の次世代を担う女性たちが集い、他者から学び、自分の経験を他者への貢献とし、みずからの成長につなげる場を創出する宿泊研修です。2015年3月の国連防災世界会議のプレイベントとして東北3県40名、アジア、中南米など世界10カ国から15名の女性リーダーの為の国際研修「国際地域女性アカデミーin Tohoku」を国際NGOホワイロウ・コミッションと南三陸町で開催したのを機にスタートしました。(詳しくはこちら

    〈本件に関するお問い合わせ先〉
    特定非営利活動法人ウィメンズアイ 担当:石本めぐみ(090-6018-7759)
    E-mail: info@womenseye.net
    〒986-0782 宮城県本吉郡南三陸町入谷字山の神平10-1