西海岸で最も著名なジャズハウス「Yoshi’s」を経営するYoshiさんこと秋葉好江さんに会うため、Yoshiさんの暮らす禅寺「好人庵禅堂」を訪ねた。戦災孤児として育ったYoshiさんは、19歳でアメリカ人将校と結婚・渡米。自分らしく生きたいと家を飛び出し、自活しながら念願のダンスとアートを学ぶ。在学中に友人たちとはじめた小さな日本食レストランのビジネスは次第に成功し、ジャズの生演奏を披露するように。アメリカの地でひとり、道を切り開いてきた彼女を支えてきたものとは?
報告:菅野瑞穂
日時 :2022/6/21.Tue. 15:00-17:00
場所 :6140 Chabot Rd, Oakland
面会者:Yoshiさんこと秋葉好江(よしえ)さん、秋葉玄吾さん
1:禅堂での座禅体験、Yoshiさんとのダンス
2:Yoshiさんインタビュー
3:報告者の感想
4:みんなの感想から
好人庵禅堂。Yoshiさんはここでパートナーの曹洞宗僧侶・玄吾さんと暮らしている。
到着した私たちはまず、玄吾さんに導かれ禅堂での座禅を体験。15分間の静かなの時間をみんなで過ごした。玄吾さんと関わりの深い気仙沼のお話を伺う。
その後、Yoshiさんが音楽とともに登場。全身で表現豊かなダンスを踊ってくださる。80歳とは思えない軽やかなステップ。その後私たちも加わるようにと誘われ、一緒にダンスを踊った。
ご自身が経験されてきたこと、そこから感じ、考えてきたこと。私たちが事前に質問をお送りしていたことを中心にお話を伺った。インタビュアーは、コーディネーターの真帆さん。
ご自身が遭遇した交通事故や、自ら命を絶とうとしたときに起きた出来事について。その経験から、スピリットの世界があることを感じ取る。孤児として1人で生きてきたことで親切にしてくれた人との出会い(児童相談所や先生)が私を支えてくれた。
真・善・美
ピンチをチャンスだと思わなければ簡単に前へは進めない
ピンチになったからとして、泣いてもどうしようもない。ピンチから抜け出す。あらゆる工夫をして、自分で考えることを大切にしてきた。
生計を立てながら勉学を続けるためのアイディア。学生でもできるビジネスとして飲食店からはじめることにした。銀行からお金を借りて2,3年でそのお金を返した。一度もやめようと思ったことはない。小さい時からジャズのミュージシャンに惹かれていた。黒人のミュージシャンたちへの待遇が悪かった。自分は人のためになりたいと思った。
ここまで協力していただいて助けられてきたけれど、一刻一刻自分は成長していかなければならない。変わっていかなければならない。今を生きていくのは大変なこと。自分がしっかりしていないと。ブレない自分を形作っていくこと。
孤独で悲しい思いをしたから、何かを信じて花を咲かせること。
自分で負けたらおしまい。
Yoshi’sを東京に開きたいという夢。
お寺という日本の文化のすばらしさを伝えていきたい。そして黒人のミュージシャンを助けていきたい。
人のためになっていることが自分のためになっている。人に余裕をあげたい。何もない時を知っているから。人にやさしくしたい。人のためになりたい。今自分ができることをやる。
Goodness(善・徳)
自分を愛してあげて。正直に、率直に生きること
座禅での無の時間から始まり、自分自身が今ここにいることの意味を感じ、お経を唱えながら先祖や過去を生きた人への感謝が溢れていました。また、玄吾さん自身の体験が語られたことが、私の心の奥にある魂に触れ、浄化される時間になりました。東北を想い心を寄せてくれる人々の温かさ、まだ癒えぬ痛みや心の傷をやさしく包み込むような場ができていたように感じました。
Yoshiさんの経験談の中で印象的だったのは、自分自身を愛すること、優しさと謙虚さでした。「その勇気や行動はどこから湧いてくるのか」という私の問いには、苦しいこと、辛いことがあったからこそ、との答え。その言葉が腑に落ちる感覚でした。よYoshiさんが歩んできた人生はとてもパワフルで、行動力、芯のある強さがある。自分の道を歩み続ける指針を示してくれたように思います。
・Yoshiさん、玄吾さん夫婦の仲の良さにほっこり、そしてお2人の愛と受容に心を動かされました。導かれるように……運やご縁をキャッチしていくことを、大事にしたいと思った。
・欲しい場所には唾をつけておく(笑)
・瞑想の後、玄吾さんが、身の上のことをお話された。東北とのつながりのこと、東日本大震災とお師匠さんとのお話は、いま思い出しても込み上げてくる。
・Yoshiさんは、ご自身の挑戦や壁にぶつかった経験について、それほど触れていなかったが、あえて触れないようにも感じた。「いやなことはすぐに忘れちゃうのよ」はきっとそれ以上に大変なことがいくらでもあったからだと思う。「協力者はいなかった」という言葉からは、助けてくれる人や頼れる人がいるから行動するのではなく、たとえ独りぼっちに感じたとしても、その孤独を超えてやりたいことがあるからこそ、大胆と思われるような行動が取れるのだと感じた。
・「〇〇があったからできた」、のではなく「〇〇がなくたってできる」を体現していらして、とても清々しい気持ちになった。飛び出ても良いというのを思い出させてもらった。
・ダンスをしてくれるなど、相手を楽しませようとする姿がとても感じられてあたたかい気持ちになりました。
・自分の生い立ちなどをマイナスに受け止めることなく、1人でいたことがプレゼントになったというのがとても印象的でした。自分の受け止め方を意識したいと思いました。
・Yoshiさんの明るさ、チャーミングさに驚きました! ピンチをチャンスに、仲間もその時々で変わっていくものだと変化を当たり前のように受け止めて進んでいく姿がとても印象的でした。「自分を愛する」ということを胸に刻み、いつでも正直に素直にありたいと思います。
・自分の感情に素直に生きると、今の自分に必要なものも直感でわかり、掴み取ることができるのではないかと感じました。若いうちはそれができていても、歳を重ねるごとに周りを気にして、自分の思いとは別の方向に進んでしまうことって多いけれど、Yoshiさんは常に自分に正直に進んできた人なのだろうと思います。そして、何より苦しみを自分の力に変えられる。今のYoshiさんからは過去の壮絶な生活は想像できません。
・たくさんのご苦労をされてきた賢い女性。自分で道を切り開くことを当たり前と思っていらっしゃる強さを感じました。「協力してくれた方はいますか?」の質問に「いないですね」と答える清々しさ!「みんなのおかげで〜」という言葉は自分が見えなくなりがち、とても素敵なロールモデルだと思います。
・自分を許す、自分を愛する。導かれると言うのはアンテナが立っている状態。Yoshiさんがカッコ良すぎた。生きる力が凄かった。恥ずかしくなった!